こんばんは!30代Webディレクターこま(@koma_piece01)です。
金融庁の金融審議会がまとめた報告書に、「夫婦で老後に生活する場合は毎月5万円の赤字になる」「95歳まで生きる場合は2,000万円(正確には1,800万円)の貯蓄が必要になる」と試算されていたことが話題になっています。
このことに対して「不安を煽る」などと批判の声も出ているようですが、現実問題として年金だけで老後の生活ができないのは事実なわけですから、黙っていられるよりもよっぽどマシです。
むしろ具体的な数字が示されたことで目標設定がしやすくなりましたし、これまで老後資金から目を背けてきた人も他人事ではないことを意識できた良い機会ではないかと私は思います。
ただ、今回の金融審議会の報告を鵜呑みにして、老後資金に2,000万円あれば良いんだと捉えてしまうことは危険と考えています。
今回はその理由について触れていきたいと思います。
目次(タップで移動できます)
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私が考える必要資金は4,700万円
結論から先に言ってしまうと、私は老後に必要な資金は4,700万円と考えています。
ではなぜ4,700万円としたのか、理由を以下に述べていきます。
将来年金支給額が下がるリスク
出典:厚生労働省年金局「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
上記は厚生労働省年金局が平成30年12月に発表した「厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額の推移」です。
厚生年金の支給額は減額の流れになっており、30年後も今と同水準の年金が支給される見込みは低いと考えています。
平成24年から29年までの5年間で4,000円ほど支給額が減っています。
仮に減額ペースが今のまま進むと考えると、私が年金をもらう30年後には24,000円減額されて12万円台になっている計算になります。
減額分を用意しないといけないとなると、24,000円×12ヶ月×30年=864万円が追加で必要になります笑
95歳で死ぬとは限らないため
平成29年の男性の平均寿命は81歳・女性は87歳と、生活水準や医療の発達によって日本人の平均寿命は増加の一方です。
95歳以上生きる可能性も割と高いと思うので、95歳で死ぬことを前提とした老後資金作りは危ないと考えています。
110歳、120歳まで生きることを想定しておいた方が安心できるのではないでしょうか?
もし110歳まで生きる場合は2,700万円、120歳までなら3,300万円の資産が必要になります!
資産が減り続ける不安・ストレス・恐怖を和らげるため
最後は精神的な問題です。
自分が何歳で寿命を迎えるかは結果であって、事前に予想することはできません。
仮に95歳で寿命を迎える想定で2,000万円(正確には1,800万円)を用意し、実際に95歳で死んだとしましょう。
結果的に資金は足りたことになりますが、実際には最後の数年間は資産が底をつく不安・恐怖を感じながら生活をしているハズです。
若いうちはお金がなくなっても働くことができるから良いんです。
でも90歳を超えた人間を誰が雇ってくれるでしょうか?
お金が毎月減っていく。でも自分でお金を増やす手段がない。
これは精神的に来ると思いますね。。
金融審議会の発表した2,000万円はあくまでも生活する上で必要とされる機械的な数字のお話で、精神的な面は考慮されていません。
私は寿命を迎えるときでも、せめて500万円くらいは資産が残っている状態を維持して不安を感じないように生きたいです。
老後資金はいくらあれば安心?
これまでに述べた「将来の年金支給額減額リスク」「長生きするリスク」「資産が減り続ける不安」も加味した上で考えると、必要な金額は4,700万円です!
<内訳>
1,800万(金融審議会資産)
864万(年金減額リスク)
1,500万(長生きするリスク(寿命120歳))
500万(安心分)
金融審議会の試算した額では全然足りませんね笑
でも安心して老後を暮らしていくためには、これだけのお金が必要になる可能性があることも事実です。
今のうちからこの数値を意識して資金計画を立てた方が良いかと思います。
おわりに
以上、「【鵜呑み危険】金融庁の「老後までに2000万円」だけでは足りない理由」でした。
社会保険料や消費増税で負担が増える一方で、年金も支給される年齢が繰り上げられたり、支給額も減額されるリスクがあるなど、将来はますます不安なことだらけですが文句を言ってもしょうがありません。
資産を増やすためには「収入を増やす」か「支出を減らす」のどちらかしかないわけですから、将来に向けて今からできることを実行に移していくしかないと思います。
また、この記事では触れませんでしたが、定年後も資産運用はもちろん可能です。
若い頃のようなハイリスクの投資はできませんが、生活に必要な資金以外は債権など比較的安全な金融商品で運用を行うことで資産の減少を抑えられます。
「老後」というと余生といった言葉で片付けられますが、65歳から100歳までは35年もあります!
35年も運用期間があれば、利回りが低くなったとしてもかなりの運用成績が期待できます。
私自身、老後の資産運用はあまり考えて来なかったので、老後の資産運用シミュレーションを今後考えてみたいなと思います!